おさむっくのつぶやき ~古民家 適材適所

2006.09.20 Wed

おさむっくです。
ここまで、古民家の間取りや大黒柱の由縁などについてお話ししてきました。こんかいは芸術としての古民家です♪
古民家は木の芸術とも呼ばれる建造物です。その芸術は木の特性、長所を活かし、適材適所に用いることで造られてきました。
また、その木の適材適所っぷりが、その家の価値を表すひとつのバロメーターともなっていました。
その最たるものが『梁』です。古民家の梁ってどんなんだったでしょうか?
吹抜けの天井を張り巡るうねうね曲がった極太の梁をイメージできますか?
今でこそまっすぐに綺麗に加工された梁で家は建てられていますが、昔はそんな技術はありません。と、言うよりも、梁には曲がった松の木が一番良いとされているのです。
曲がった木を橋を架けるように、家に使いますとまっすぐなものよりも加重に耐えられるからそういわれております。
しかし、ここでひとつ落とし穴が!軸になる極太の梁を“家のX方向”に架けたとします。その梁はまっすぐでもなければ、橋のように綺麗なRがかっているのでもありません。うねうねしているのです。
そのうねうねした軸となる極太の梁に“Y方向”の梁(桁)を5本いれることを想像してみて下さい。そこにふさわしい「ハマる梁」はどうすれば良いのでしょうか。
木は 簡単に思った方向に曲がってくれるものでもありません。
山に探しに行ったのです。その頃の大工の棟梁は木探しからが仕事でした。
1本の梁をみつけると、それにふさわしい次の梁を、更には次の梁を、、、というように木探しをしたのです。
古民家って、なんとなく響きだけで心温まる感じがしますけど、それはきっと1本1本の梁や柱すべてにまで、建てる人の想い、建ててもらう人の想いが込められているから
なのかもしれません。 ~つづく

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